株価が高い、安いとは?
- 株価が高い(割高)
- 株価が安い(割安)
この言葉の捉え方は2種類あります。
違いを見ていきましょう!
自分の価値判断による「高い」「安い」
まずは、みなさんに ひとつ質問させてください。
- A社:株価 100円(購入金額 1万円)
- B社:株価 1,000円(購入金額 10万円)
- C社:株価 6,000円(購入金額 60万円)
- D社:株価 4万円(購入金額 400万円)
上記の4社。
どの株価までが安くて、どの株価から高いですか?
そうですよね。
A社とB社が安いという人もいれば、4社とも安いという人もいます。
みなさんの価値観や運用資産により、株価の「高い・安い」の価値判断は変わるはずです。
これは 自分の価値判断で判断した「株価が高い(割高)・安い(割安)」です。
業績・指標を参考にした「高い」「安い」
株式投資を行う上で聞く、株価が高い(割高)・安い(割安)はこちら。
企業の業績や指標を参考にして、現在の株価が「高いか?安いか?」を判断します。
株の割安度を測る代表的な指標として、下記があります。
指標 | 説明 |
---|---|
PER (株価収益率) |
株価÷EPS(1株あたり純利益)で算出。 同業他社と比較して数値が低いと割安。 |
PBR (株価純資産倍率) |
株価÷BPS(1株あたりの純資産)で算出。 会社が解散した際の企業価値が分かる。数値が低いほど割安。 |
割安度を測る代表的なPERでカンタンに説明します。
PERは、同じ純利益を「何年」出せば、投資資金を回収できるか?を表したものです。
- PER10倍
10年間、同じ1株あたり純利益を出せば、投資資金を回収できる。 - PER20倍
20年間、同じ1株あたり純利益を出せば、投資資金を回収できる。
おそらく、指標という言葉をだしただけでアレルギーを発症する方がいらっしゃると思います!わたしも、初心者の頃はそうでした(笑)
カブスルが投資を始めた頃(2004年)より、現在は便利な情報が各証券会社で用意されています。
たとえば、マネックス証券にログインするとみられるIFISスコアをみると10段階でスコアがついており、さらに同業他社の平均スコアとの比較もできます。
割安性の欄のスコアが高いほど、割安になります。
詳しくは参考記事にて。
PERの練習問題
練習問題として、株価が同じ1,000円で事業内容が同じA社とB社があった場合、
- A社の1株あたり純利益は100円。
PERは10倍。(10年で回収) - B社の1株あたり純利益は75円。
PERは13.3倍。(13.3年で回収)
10年で投資資金を回収できるA社の方が、B社より割安です。
株価が同じだと分かりやすいと思います。
では、株価を変えたらどうでしょうか?
- C社の株価は2,000円、1株あたり純利益は100円。
PERは20倍。(20年で回収) - D社の株価は6,000円、1株あたり純利益は500円。
PERは12倍。(12年で回収)
一番最初に、どの株価が高いと思うか?という問題を出しましたが、PERで比較すると、株価が6,000円のD社の方がC社より割安です。
株式投資において割安か割高かを判断するには、各指標を同業他社と比較することにより、判断することが出来ます。
株価の下落による株安には注意!
「日産自動車(7201)の株が割安になっているけど買い?」というご質問を受けました。
売買の助言はできませんが、このページにマッチしてそうなので紹介させて頂きます。
カブスルが企業分析に利用しているマネックス証券のツールを使ってみます。
(以降の画像は全てマネックス証券のものです)
まずは日産自動車(7201)の5年間チャートに、日産の出来事を重ねてみます。
5年前と比べて、株価は1/3~1/4になっています。
たしかに株価は下げていますが、これを割安と呼ぶのは危険な香りがします。
というのも、株価は企業業績の先行指標!
株価が下がっているのには理由があるんです。(上記の表にもう出ていますが)
10年間の業績をチェック
マネックス証券の銘柄スカウターで、日産自動車の10年間の業績の推移を見てみます。
注目すべきは営業利益の推移。
営業利益とは、企業の稼ぐチカラです。
ゴーンさんが逮捕されたのが2018年11月なので、その前から日産自動車の営業利益は落ちています。
逮捕によりブランドイメージは低下。さらに日産自動車内のドタバタ劇や、ゴーン氏が逃亡したことにより、ブランドイメージはボロボロです。
カブスルは身内も含めて日産のクルマに乗っていますが、次は他社にする予定です。
業績は大赤字。
これを割安と呼ぶのはあまりにも危険かと思います。
配当金は減配、無配に転落
業績の悪化を受けて、配当金も減配~無配と改悪しています。
それも当然で、配当金の原資は企業の利益。
利益がでていないので、配当金を出せるワケがありません。
配当金目当ての投資家の中には、「これまで〇〇年間 減配したことがないから」といった理由で、株を売らないように呼び掛けている方もいますが、過去の実績はあくまでも単なる参考値です。
業績が悪くなったら減配、無配に転じるのは企業にとって正常な判断です。
(稀に頑張って配当金だしますと言っている企業もありますが、個人的にはアホかと思っています)
株価が上昇するには魅力が必要!
基本的なことになりますが、株価が上昇するには、買い注文が必要です。
もっと言うと、いくらでもいいから欲しい!といった強い買い注文が必要です。
買い注文を集めるには、企業の業績や将来性が重要視されます。
日産自動車の場合、いまのところ買い注文を集めるような材料が見当たりません。
よって、株価が下がっているのは割安ではなく、妥当な下落だとカブスルは判断します。
参考までにカブスルなら、現在の株価を割安と思って買うのではなく、
- 日産自動車の技術力を信じる。
- 業績の回復&復配を信じる。
- チャート的に反発すると思っている。
これらの理由で買うと思います。
また、これだけ下落しているので、業績の回復を待ってから買ってもいいのかなと思います。
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