NISAのデメリットは?節税できず損切りの決断も遅れる
NISAのデメリットは何と言ってもコレ・・・
NISA口座で発生した損失は、他の口座で得た利益と損益通算できない
損益通算できないのが、非常に大きなデメリットです。
初心者向けにごく簡単に説明すると、NISA口座で損失が出た場合には「節税」ができない! ということです。
目次
損益通算できないとはどういう事?
「損益通算」とは、「利益」を「損失」で相殺できないということです。
株式投資の利益には税金が発生しますが、利益を損失により圧縮することで、節税に繋がります。
NISA口座と証券会社などの通常の特定口座における取引の例で比較してみます。
1. 特定口座にて株式投資を1年間 売買した場合
- 特定口座の A銘柄 で 100万円の利益
- 特定口座の B銘柄 で 40万円の損失
- 特定口座の C銘柄 で 20万円の損失
- 税金の対象になる年間の利益は 100万円 - (40万円+20万円) = 40万円の利益
- 税金は … 40万円 × 20% = 8万円(税金)
損益通算して利益が圧縮され 年間利益40万円にかかる税金は8万円になる。
2. 特定口座とNISA口座にて株式投資を1年間 売買した場合
- 特定口座の A銘柄 で 100万円の利益
- 特定口座の B銘柄 で 40万円の損失
- NISA口座の C銘柄 で 20万円の損失
- 特定口座における税金の対象になる年間の利益は 100万円 - 40万円 = 60万円の利益
- NISA口座における損失は課税されません
- 税金は … 60万円 × 20% = 12万円(税金)
特定口座内の利益や損失は損益通算ができるが、NISA口座の損失は損益通算されない。
よって上記に比べてNISA口座内の20万円分の損失分は対象とならず税金は12万円となる。
いかがでしょうか?
上記の2つのパターンを比べた場合、NISAで損失を出しても「損益通算」がされないため、節税がされず上記の例では4万円の税金の差となります。
ちなみに、NISA口座同士の利益と損失も損益通算されません。
3. NISA口座にて株式投資を1年間 売買した場合
- NISA口座の A銘柄 で 100万円の利益 (100万円の投資元本の運用益)
- NISA口座の B銘柄 で 40万円の損失
- NISA口座の C銘柄 で 20万円の損失
- NISA口座の100万円の利益は非課税
- NISA口座における損失は課税されません
- 税金は … 0円(税金)
NISA口座では「100万円の投資元本の運用益」は非課税となります。
損失に関しても課税されませんから、税金は0円となります。
利益100万円は上記と同じ例にしているので極端になりましたが、それでもNISA口座では運用益に所得税がかからないという点は非常に大きなメリットですね。
NISA口座は損失の繰越控除も利用できない

NISA口座は、確定申告による損失の繰越控除の制度も利用できません。
損失の繰越控除は、3年間損失を繰越し、翌年度以降の利益を圧縮して節税できるという制度になります。
カブスル的には、この制度があるおかげで損切りもしやすい面もあるので、損失時の節税ができないNISA口座は使い勝手が悪いです。
デメリットを気にしすぎて損切りが遅れる方も多い
NISA口座は損失をだしたときのメリットが皆無のため、損切りを躊躇される方が多い印象です。
その結果、NISA口座で大損をだし、なおかつ節税にもつながらないといった取引をされている方をSNSなどで見かけます。
NISA口座とはいえ、決算が悪いなど企業自身に問題があり株価を下げているときは、損切りも考慮しましょう。
NISA口座はメリットも大きいがデメリットも大きい
これまでのNISAのメリットとデメリットをまとめると、NISA口座は、
- 利益に関しては、非課税となり、とても大きな節税ができる。
- 損失に関しては、損益通算できず、節税ができない。
といった、いわば「諸刃の剣」のような制度になります。
もちろん初めから「損失を出してやろう!」といって投資を行う人はいないと思いますので、得られるメリットを考慮すると思いますが、きちんとデメリットも把握しておきNISAを始めましょう。
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