PERは企業の割安度を測る指標。同業他社と比較しよう
PERは、株価が「割安か?割高か?」 を判断する代表的な指標です。
PERの数値が低いほど、割安になります。
買い物でいえば、お買い得。
指標としては最も目にしやすいので覚えておきましょう。
目次
PERで株価収益率がわかる
PERとは、「Price Earnings Ratio」の略で、日本語にすると株価収益率です。
計算式は、株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)。
PERの読み方はそのままで、「ピー・イー・アール」。
「パー」と読んでも・・・通用するかな?と思います。しないか!?
PERは株式投資を行なう上で、最も目にしやすい指標で、同じ純利益を「何年」出せば、投資資金を回収できるか?を表したものです。
- PER10倍
10年間、同じ1株あたり純利益を出せば、投資資金を回収できる。 - PER20倍
20年間、同じ1株あたり純利益を出せば、投資資金を回収できる。
投資資金の回収は早ければ早いほど良いので、PER10倍の方がお買い得(割安)になります。
PERの数値は低いほど割安
PERを見ると、株価が割安か割高の判断材料になります。
PERの数値が低ければ低いほど、株価は割安です。
- PER30倍よりも、PER20倍の方が割安。
- PER20倍よりも、PER10倍の方が割安。
身近なもので例えてみます。
デパートで洋服を見つけました。
洋服のお値段を見ると「5,000円」と値段がついています。
洋服を買うときの判断材料としては、「デザイン」だったり「かわいらしさ」だったり「ブランド」だったりしますよね?
さらに、これってお買い得(割安)かな?と考えますよね。
同じ値段なら品質が良いものがいいですし、同じブランドなら価格が安い方がお得です。
洋服 | 株式投資 |
---|---|
ブランド | 知名度など |
デザイン | 事業の将来性など |
価格 | 株価 |
洋服も企業の株を買う場合も、総合的にみて買う必要があります。
良い品質のものを買う必要がありますし、お買い得に買いたいです。
良い企業の株が割安だとお買い得!
株を購入するときも、PERが低く、将来性が高い企業を選ぶことができれば、お買い得な買い物をしたことにつながります。
ただし、そのような企業の株は、みなが欲しいと思うので、既に買われている場合が多いです。
大事なのは、そのような株をいち早く見つけること!
例えば、売上好調のワークマン(7564)。
マネックス証券にログインするとみられるIFISスコアをみると、割安度が10段階でスコアされています。ワークマンの2020年7月のIFISスコアは次の通り。
スコアは高いほど割安なんですが、現在は16で割安度は非常に低いです。
今でこそ割高となりましたが、ワークマンが出店攻勢をしだした3~4年前はもっと割安でした。
ワークマンの出店はみなさんも見ているはずで、「あれ?最近出店多いなぁ。チラシが多いなぁ」と気づいていれば、お買い得にワークマンの株を買えたことになります。
これから業績を伸ばしそうだ!と、事業の成長が期待でき、PERが低い銘柄を見つけられればサイコーですし、それが株式投資の醍醐味です(  ̄∇ ̄)
PERは同業他社と比較しよう
PERを有効に活用するためには、同業他社やライバルと比較することが大切です。
というのも、業種によりPERが低くでやすい企業と、PERが高くでやすい企業があります。
PERが低い企業 | 銀行や商社など。 |
---|---|
PERが高い企業 | バイオ系、IT系など。 将来性が期待される事業内容。 |
業種により平均PERが違うので、ゆうちょ銀行とソフトバンクのPERを比較しても、割高・割安の判断はできません。
同じ業種・事業内容でPERを比較し、「割安か?割高か?」の判断をしましょう。
洋服を買う場合、お買い得か?の判断は他の洋服になるはずです。家電品とは比べないですよね?
業種ごとの平均PERは、モーニングスターで確認できます。
医薬系の平均PERは30.2%、IT系は16.9%、銀行系は11.2%。※2020.11.6時点
例として、同業種である通信3社の各指標を比較してみます。
マネックス証券の銘柄スカウターを利用すれば、同業他社との比較も容易です。
NTTドコモのPERは20倍、KDDIのPERは10倍なので、割安度だけで言えばKDDIの方が割安です。
投資をする場合、肝心の売上高の推移などを確認します。
仮に、NTTドコモと売上などほとんど変わらなければ、割安のKDDIの方が魅力的です。
PERが低い株を見つけたら理由を調べよう
PERが低い株を見つけた場合、なんで割安に放置されているのかを調べてみましょう。
ワンポイント
- その業種の平均PERは?
- 同業種のライバルのPERは?
- 同業種と比較して業績は好調?将来性は?
- なんで、このPERの数値が出ているんだ?
これらを調べてみると、より明確な投資判断ができるようになります。
ただ単に安いが、すぐボロボロになる洋服はあまり買いたくないですよね?
安いと思って買ったものの、また新しく買う必要が出るものは、結局損です。
逆に、安いけど良質な洋服を購入することができればとてもハッピーです。
より良い銘柄をお買い得に買えれば、いずれは他の投資家たちの目にとまり、買いが集まり株価が上がっていくチャンスが訪れます。
ワンポイント
割安だけども業績が悪い企業の場合、株価が下がるリスクが高く、お買い得な買い物に繋がらない可能性があります。
洋服も、安いけれども穴が空いていたり汚れがある服は、安くてもお買い得とは言えません。
1株あたり純利益が高ければ、PERは低くなる
PERの計算式を再掲します。
株価 ÷ 1株あたり純利益(EPS)。
PERは低い方が割安です。つまり、
- 株価が低い。
- 1株あたり純利益(EPS)が高い。
どちらかで、PERは低くなりますし、2つとも当てはまれば更に低くなります。
同じ業種で、株価が同じ5,000円の企業があったとします。
- 1株あたり純利益が250円なら、PERは20倍。
- 1株あたり純利益が500円なら、PERは10倍。
何がいいたいのかというと、買った当初はPERが高かったとしても、企業の業績が良く、1株あたり純利益が改善されていけば、PERは低くなります。
PERから将来の株価の予想を立てよう
PERは、将来の株価予想にも使われます。
初心者というよりは、中級者向けですが、知っていると慣れた感があると思います(  ̄∇ ̄)
ワンポイント
同業種・同形態の企業があり、業界の平均PERが20倍の場合。
- A企業の株価が1,000円、現在のPERが10倍の場合。
平均PERの20倍まで2倍の余裕があるので、株価が2,000円まで上昇する期待ができる。 - B企業の株価が1,000円、現在のPERが30倍の場合。
平均PERの20倍より1.5倍高いので、株価が666円に下落する可能性もある。
業界の平均PERに直して計算すると、A企業は株価が上昇する見込みがあり、B企業は株価が下がる可能性があります。
もちろんこんな単純に株価が上下するわけではありませんが、予想の目安にはなります。
割安度は図る指標はPERだけでなく、PBRなどの他の指標とあわせて利用することで、より深く割安度を図ることが出来ます。
初心者にはチョット難しいかもしれませんが、PERを説明している面白い動画を見つけましたので紹介します。なお、多少口が悪い著名人ですが説明力は抜群です(LINEやZOZOの元執行役員)
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