初心者向け!ROEって何?投資に役立つ知識を身につけよう
ROEは企業の収益性や資本効率を評価する重要な指標で、投資家や外国人投資家も注目しています。
高いROEを持つ企業は資本を効率的に利益に変える能力があり、競争力が高いとされます。
(ROEの数値が高いほど良い。10%以上が目安)
本記事では、ROEの意味や計算方法、評価方法、投資戦略を初心者向けに分かりやすく解説します。
目次
ROEとは?
ROE(Return On Equity)は、株主資本利益率とも呼ばれ、企業が投資された株主資本をどれだけ効率的に運用しているかを示す指標です。
高いROEは企業の収益性が高いことを意味します。
ROEの計算方法
ROEは、純利益を株主資本で割った値です。具体的には、次の式で計算されます。
株主資本は、「総資産 - 総負債」で計算。
ROE = 純利益 ÷ 株主資本
例えば、ある企業の純利益が10億円、総資産が50億円、総負債が20億円の場合、ROEは以下のように計算できます。
- 株主資本 = 50億円 - 20億円 = 30億円
- ROE = 10億円 ÷ 30億円 = 0.33333
この企業のROEは33.33%となります。
投資初心者は計算式は覚えなくても大丈夫です。各証券会社で数値として表示されています。
ただし、ROEがどのように計算されているのかを知ることは、初心者脱却時には大切。
なぜROEが重要なのか?
ROEは企業の収益性や資本効率を評価する上で重要な指標とされています。
高いROEを持つ企業は、投資された資本を効率的に利益に変えていることを示し、経営陣の能力や競争力が高いとされます。
さらに、高いROEが継続している企業は、株価上昇や配当増加の可能性が高いとされるため、投資家にとって魅力的な銘柄といえます。
純利益が多くなれば多くなるほどROEの指数も上がり、投資家から集めた株主資本で上手に経営ができていることになります。
つまり、ROEの数値が高く推移している企業は、高成長を遂げていると言えます。
ワンポイント
日本株の売買代金の6~7割を占めているのは外国人投資家ですが、その外国人投資家が日本株に投資をする際の目安にしているのがROEです。
外国人投資家も注目するROE
ROEは、外国人投資家が企業を評価する際にも重要な指標とされています。
特にアメリカやヨーロッパの投資家は、ROEを使って企業の資本効率や収益性を比較・分析し、投資先を決定することが一般的です。
外国人投資家が好む日本株は、高いROEを持ち、安定した業績を上げる企業です。
外国人投資家は、10%以上の高ROEの銘柄を非常に好みます。
投資した資本を効率的に利益をだしている企業が好きなんです。
ちなみにインデックスファンドの平均的な投資リターンが8%。この8%を下回る個別企業に投資するなら、インデックスファンドに投資した方が良いとされているためです。
これらの企業は、グローバルな競争力があり長期的な成長が期待できるため、多くの外国人投資家が注目しています。
外国人投資家に人気の株は下記で、株主構成比率も高いです。(2022.3.22調べ)
- ソニー(6758):外国人投資家 59.8%、ROE 24.2%
- 任天堂(7974):外国人投資家 50.6%、ROE 28.1%
ちなみに、ROEが16.4%のユニクロ(ファーストリテイリング)の外国人投資家の比率は18.6%。
高いROEを持つ銘柄は業績が安定していることから、外国人投資家にとって魅力的な銘柄とされています。ただし、投資判断を行う際には、最新の情報や他の財務指標も併せて分析することが重要です。(例えば、ソフトバンクグループはベンチャー投資が2022年は苦戦気味など)
外国人投資家が参加すると株価が上昇しやすくなる
外国人投資家が日本株に参加することで、市場価値が高まり、流動性が良くなり、売買がしやすくなります。
外国人の中には日本以上に個人資産家が多いですし、投資家層も厚いので、投資マネーが市場に集まり株価も上昇しやすくなります。
参考までに
諸外国では「会社は株主のもの」であるという意識が強いです。
いかに企業がその株主の資本を有効活用しているのか?きちんと効率よく使って利益を上げているのか?が投資する上で最も重要な指標になるそうです。
(日本ではまだまだ「会社は経営者のもの」という意識が強いです。)
カブスルの場合、企業の成長性の度合いを図る指標というのにプラスして、外国人投資家が銘柄を購入する際に最も重要視する指標の一つとして 株を購入する際の参考にしています。
なお、日本株ではROEが7%を超える辺りからPBR水準が切り上がる傾向にあると言われています。(株価が上昇する)
ROEを使って企業を評価する方法
ROEを使って企業を評価する際は、まず業界平均や競合企業のROEと比較します。
これにより、その企業が業界内でどれだけ優れた収益性を持っているかを把握できます。
次に、過去のROE推移を見ることで、企業の収益性が向上しているかどうかを判断します。
また、ROEが高いものの、負債が過大であったり、一時的な要因によるものである場合があるため、他の財務指標と併せて分析することが重要です。
高いROEが示すものと注意点
ROEを見る際に気をつけないといけないのは、ただ単に高ROEというのだけで判断せず、分母となっている純資産の占めている資金の割合を知る必要があります。
純資産のなかの資本には自己資本と他人資本(借入金)があり、他人資本はいわゆる企業の借金ですので、自己資本と他人資本の割合のバランスを見る必要があります。
・純利益が10億円、純資産50億円(うち、他人資本45億円)
(10÷50)×100=20 ROEは20%。
一見 高ROE銘柄のように見えますが、借金を45億円しているのに純利益が10億円しか出ていません。このような場合は高ROEだからといって優良企業とはいえません。
また、ROEはその年の数値だけを見るだけではなく、ここ数年・数十年のROEの推移を見ることにより信頼度が高まり、優良企業を見つけることができます。
高いROEが示すもの
高いROEは、企業が資本を効率的に運用し、利益を生み出していることを示します。
例えば、企業AがROEが25%で、企業BがROEが10%の場合、企業Aの方が資本効率が高く投資家にとって魅力的な企業と言えます。
高いROEの注意点
ただし、高いROEだけで企業を評価するのは危険です。
以下に具体的な注意点を挙げます。
ワンポイント
- 負債が多い企業
負債が多い企業は、自己資本が少なくなり、ROEが高くなる傾向があります。
しかし、リスクが高まるため、他の指標(負債比率など)もチェックする必要があります。 - 特別利益による一過性の利益上昇
企業が特別利益(不要な資産の売却など)を得た場合、ROEが一時的に高まることがあります。これは継続的な利益ではないため、注意が必要です。 - 短期的な利益追求
企業がコスト削減やリストラによって短期的に利益を追求することで、ROEが高まる場合があります。
しかし、これは長期的な成長戦略とは必ずしも一致しないため、注意が必要です。
総じて、高いROEは魅力的な要素ですが、他の財務指標や企業の業績・戦略と合わせて評価することが重要です。
他の財務指標との比較
ROE以外にも、企業の財務状況や収益性を評価する指標があります。
例えば、ROA(総資産利益率)やROIC(投資資本利益率)なども、企業の効率性や収益性を測る指標として重要です。
ROEとこれらの指標を比較・分析することで、より総合的な企業評価が可能となります。
ROEを活用した投資戦略
ROEを活用して投資戦略を立てる際は、高いROEを維持できる企業に注目することが一つの方法です。その際、過去の推移や業界平均、他の財務指標との比較などを行い、企業の真の収益性や競争力を判断します。
また、成長性が高く安定した業績を上げている企業を選ぶことで、長期的な投資成果が期待できます。
さらに何度も書いていますが、ROEだけでなく他の財務指標や企業のビジネスモデル、経営陣の信頼性なども考慮することで、より安全な投資判断が可能となります。
まとめ&よくあるQ&A
ROEは企業の収益性や資本効率を評価する上で重要な指標であり、外国人投資家も注目しています。
投資においては、ROEだけでなく他の財務指標とも併せて分析することで、より総合的な企業評価が可能となります。
ROEが高い企業は必ず良い投資先ですか?
ROEが高い企業は収益性が高い傾向がありますが、過度な負債や一時的な要因でROEが高まっている場合もあります。他の財務指標と合わせて分析し、企業の真の収益性を判断することが重要です。
ROEだけで企業の評価を行っても大丈夫ですか?
ROEは重要な指標ですが、企業の総合的な評価には他の財務指標や業績、事業戦略、経営陣の信頼性なども考慮することが重要です。ROEだけでなく、複数の要素を総合的に分析することで、より適切な投資判断が可能となります。
初心者にはチョット難しいかもしれませんが、ROEを説明している面白い動画を見つけましたので紹介します。なお、多少口が悪い著名人ですが説明力は抜群です(LINEやZOZOの元執行役員)
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