仮想通貨と株式投資の違いは?
Q:質問
仮想通貨と株式投資の違いは?どちらがおすすめですか?
A:回答
仮想通貨と株式投資はまったくの別物です。
制度や仕組みもそうですが、預け金の保証や税金の仕組みも違います。
個人的には株式投資の方がおすすめですが、両者の違いを比較します。
2018年に書いた記事です。このときは個人中心の投機商品でした。
参考までにこのまま残しています。
2020年後半からは機関投資家が購入をはじめ、資産クラスタの一部となってきました。
カブスルも投資で2020年~2021年に100万円分を購入。(ビットコインを100万円分購入)
目次
仮想通貨とは?
仮想通貨とは、言葉の響きからなんとなく連想できそうですが、
「仮想」の「通貨」になります。
100円玉や1万円札のような銀行券・貨幣のように実物がありません。
また、発行媒体もなく国による価値の保証もありません。
現在 ビットコインなどに代表される電子的な「暗号通貨」が仮想通貨の代表格として 流通しています。
現在、1,500種類のコインがあります。
2009年、最初に生まれた暗号通貨が「ビットコイン」になります。
ある日 一人のエンジニアがビットコインのコミュニティに冗談で「ピザ1枚とビットコイン 1万円分と交換しないか?」と持ち掛け、それが成立したことが始まりと言われています。
仮想通貨は、元々は世界中どこにでも瞬時に低コストで送金できる「画期的な決済通貨」として注目を集めていました。
2018年 現在では、そういった利便性から買われているのではなく、投機の対象として値上がり益を狙った購入が増えています。
仮想通貨の魅力とデメリット
仮想通貨の魅力としては「価値の高騰」が挙げられます。
株式のように1株利益などの指標がない(価値の根拠がない)ため、仮想通貨の相場は上昇に関しては青天井です。
半面、急騰した価値は急落もしやすので 投資した価値が大きく下がるというデメリットにも繋がります。
仮想通貨全体の市場規模長期予測は、今の5,000億ドルから10兆ドル(約1,126兆円)の規模(20倍)になると予想されています。※RBCキャピタルマーケッツのアナリスト談
仮想通貨と株式投資との違い
仮想通貨と株式投資を ごくごく簡単に比較すると、
- 資産の運用性や安全性、節税で優れているのは「株式投資」。
- レバレッジや取引時間など自由度が高いのが「仮想通貨」。
になります。詳しい違いは下記のとおり。
項目 | 仮想通貨 | 株式投資 |
---|---|---|
投資(投機) の性質 |
超ハイリスク・超ハイリターン (投機) |
ハイリスク・ハイリターン (投資&投機) |
発行主体 | 企業・団体 | 株式会社 |
最低投資金額 | 数百円 | 数百円(単元未満株) |
配当金 | なし | あり |
株主優待 | なし | あり |
モノやサービス への交換 |
可能 | 不可 |
取引の仲介 | 仮想通貨交換業者 | 証券取引所 |
取引時間 | 24時間 | 平日の9時~15時 |
取引手法 | マーケットメイク方式 (仲介と自己勘定による注文) |
オークション方式 (AさんとBさんの取引を仲介) |
所得 | 雑所得 | 譲渡所得 |
課税方式 住民税含む |
総合課税の累進課税 (15%~55%) |
分離課税 (一律20%) |
レバレッジ | 最大25倍 | 信用取引で3倍 |
利用者保護 | 分別管理が基本。 ただし、倒産時は従業員の賃金や債権が優先。 顧客の資産を守る信託保全が必須課題。 |
預かり資産を分別管理した上で信託銀行に移管。 証券会社の倒産時にも預かり資産は保全される。 それでも支障が生じる場合は業界内の共同基金により1千万円を上限として保障。 |
法律上の立場 | 資金決済法で交換業者として登録。 (みなし業者あり) |
金融商品取引法上の取引所免許が必要。 |
確定申告の準備 | 課税ポイントが多く、非常に手間がかかる。 | 特定口座/源泉徴収ありの場合、基本的にしなくてよい。 |
マーケットメイク方式とは?
仮想通貨の交換業者は「マーケットメイク方式」を採用しています。
- 顧客が買い注文を出す
⇒ 交換業者が在庫を売却 - 顧客が売り注文を出す
⇒ 交換業者が自己資金で買取り
この 自己資金での買取りと在庫の売却の 利ザヤが交換業者の大きな利益となります。
一方、株式投資を行っている証券取引所は「オークション方式」を採用しています。
証券取引所の収益は取引成立時の手数料になります。
レバレッジとは?
「レバレッジ」とはザックリと説明すれば 交換業者にお金を借りることです。
「証拠金(保証金みたいなもの)」を交換業者に預け、「預けた証拠金の数倍~数十倍の金額」を運用することができる仕組みです。
自分の運用資産より大きな資金で運用できるため、利益額も大きくなりますが、損失額も大きくなるのが特徴です。
余談ですが、同じくレバレッジをかけられる「FX」も2010年までは最大で400倍ものレバレッジをかけられました。リターンもリスクもかなり大きく、個人投資家保護(投機家?)の観点から最大で25倍まで規制されました。
仮想通貨の課税の仕組み
仮想通貨は急激に取引量なども拡大しており、法整備や税金に関する情報が不十分な状況にあります。都度 見直されていくかと思いますので詳しくは税務署や国税庁に確認してください。2018.2.15時点
仮想通貨は「総合課税の累進課税」になり、株式投資やFXは「分離課税」となります。
仮想通貨の「総合課税の累進課税」は所得金額が大きいほど負担が大きくなり、住民税と合わせて15%~55%の税金が発生します。※住民税は一律10%。
株式投資は分離課税で一律20%で済むことを考えると、仮想通貨は税金面での負担が大きいです。
参考までに
株式投資では「譲渡益」や「配当金」に対して20%の税金が発生します。
「特定口座/源泉徴収あり」を利用の場合は 証券会社が代わりに税金分を徴収して納めます。
なお、仮想通貨も株式投資と同じく 年間で給与以外の所得が20万円以下の場合は確定申告が不要になります。
課税対象のタイミングが多い
また、仮想通貨は株式投資に比べて課税対象になるタイミングが多く、全取引の履歴を把握するのは意識して帳簿をつけておかないと難しいです。
ワンポイント
- 売却をして利益を得た時。
(譲渡益に課税) - 仮想通貨を利用して商品やサービスを購入した時。
(取得額と時価の差額に課税) - 仮想通貨同士の交換時。
(交換時に利益確定とみなされる) - 分裂した仮想通貨も課税対象に。
(取得額0円として換金時に課税)
基本的には仮想通貨を利用した取引は日付や取引内容、金額、相場の時価などすべてメモしておいた方がよいと思います。金額が大きい場合は税理士にも相談された方がよいかもしれません。
株式投資の場合は証券会社が発行している取引履歴書を閲覧・印刷が可能です。
株式投資や他の金融商品と損益通算できる?
残念ながら仮想通貨は仮想通貨同士の損益通算はできるようですが、株式投資などの他の金融商品とは損益通算ができません。
つまり、仮想通貨で利益が出ていて、株式投資で損失が出ている場合に損益通算をして利益を圧縮して節税することができません。
確定申告をしないとどうなる?
仮想通貨はブロックチェーンという技術により支えられています。
ブロックチェーンの安全性に繋がっている仕組みとして、だれが いつ どのような取引 を行ったのかがすべて記録されている点にあります。
つまり、現金よりも仮想通貨の方が取引の流れは把握しやすいので、税務署も確定申告を行っていない人をカンタンに把握できます。
仮想通貨の確定申告は大変ですが、確定申告を行わないと重加算税(40%)などの罰則(附帯税)の対象となりますのでご注意を。
利益を確定していない場合は?
仮想通貨を購入し保有しているだけの場合、「利益が確定していない」ので確定申告を行う必要はありません。
あくまでも上記で紹介した課税ポイントで利益が確定し、年間20万円以上の利益が出ている場合に確定申告を行う必要が出てきます。
仮想通貨と株式投資はどちらがおすすめ?
個人的には仮想通貨と株式投資はまったく別物だと思っています。
長期間で資産を運用したいなら「株式投資」がおすすめですし、短期間で投機的にリスクを覚悟しながら超ハイリターンを狙いたいなら「仮想通貨」がおすすめです。
どちらも少額(数百円程度)から始めることは可能ですので、経験を積むためにどちらも行っても面白いかと思います。
ちなみにカブスルは、株式投資は2004年から、仮想通貨は2018年から行っています。
どちから一方を勧めて…という話であれば資産運用の基本を学べる「株式投資」をおすすめします。
株式投資については、カブスルの「STEP1 株式投資の基礎/入門」をご覧ください。
【2021年4月追記】長期投資で100万円分購入
ときは流れ、2021年。
ビットコインは個人中心から、機関投資家が投資する対象に。
カブスルもコインチェックで、ビットコインを100万円分購入。
長期保有する予定です。詳細は別記事にて。
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