指値注文と成行注文の違い

株の売買の基本的な注文方法である「指値注文」と「成行注文」の違いを確認しておきましょう。

株式投資で買い注文や売り注文を行う場合、この2つの注文方法が基本となります。

  • 指値注文(さしね ちゅうもん)
    指定した株価で株の売買を行う注文
    (株価優先の注文方法)
  • 成行注文(なりゆき ちゅうもん)
    即座に株の売買を行う注文
    (売買成立優先の注文方法)

これら二つの注文方法は、それぞれ異なる特性とメリットがあります。
初心者の方にも分かりやすく、適切な使い方について解説します。

指値注文とは?

指値注文は希望の株価で売買

指値注文は、希望する株価での売買ができます。

株初心者には、そんなの当たり前じゃ…と思われるかもしれませんが、株を売買する人の希望により、注文方法が変わるんです。

身近なオークションやフリマの例を載せてみます。

  • どうしても欲しいバックが出品されていた!
    一刻も早く欲しい!価格は多少高くてもいいから即決したい!
    株式投資では「成行注文」
  • あのバックをなるべく安く買いたいなぁ。
    2,000円以下なら購入しようっと。それ以上なら諦めようっと。
    株式投資では「指値注文」

指値注文は、指定した株価よりお得に買いたい(売りたい)という時に利用する注文方法です。

指値注文のメリット

指値注文は、指定した価格よりもお得に売買できる注文になります。

指値注文とは?

参考までに

指値の買い注文の場合

(例)1,000円以下で購入したい場合 「1,000円で指値買い注文」を出します。

  • 株価が1,000円以下の場合
    買い注文が発動します。
    1,000円または1,000円以下の株価で購入ができます。
  • 株価が1,001円以上の場合
    買い注文は発動しません。
    つまり、指定した株価よりも高い株価で購入しません

指値の売り注文の場合

(例)1,000円以上で売却したい場合 「1,000円で指値売り注文」を出します。

  • 株価が1,000円以下の場合
    売り注文は発動しません。
    つまり、指定した株価よりも安い株価で売却しません
  • 株価が1,001円以上の場合
    売り注文が発動します。
    1,000円または1,000円以上の株価で売却ができます。

指値注文のデメリット

指値注文は売買できない場合も

株を買うには売る人が必要です。

指値 買い注文を1,000円で注文しても、売る人が1,000円以下で注文を出していないと売買が成立しません。


  • 買いたい人:指値 買い注文を1,000円で出している。
  • 売りたい人:売り注文を1,200円で出している。

上記の場合、お互いの希望が合わず売買が成立しません。

指値注文の使い時は?

指値注文は、希望の株価で売買をしたいときに利用します。

株価優先 > 時間優先

ワンポイント

  • 買いの指値注文の場合
    指定した株価以下になると買い注文が発動します。
    安く買いたい場合に利用する!
  • 売りの指値注文の場合
    指定した株価以上になると売り注文が発動します。
    高く売りたい場合に利用する!

指値注文は価格優先の原則がある

指値注文には「価格優先の原則」があります。

買い注文の場合、より高い値段の注文が優先され、売り注文の場合は より安い値段の注文が優先されます。

  • 買い注文の場合
    • 1,200円の指値買い注文← こちらが優先
    • 1,000円の指値買い注文
  • 売り注文の場合
    • 1,200円の指値売り注文
    • 1,000円の指値売り注文← こちらが優先

なお 指値の注文価格が一緒の場合は、時間優先の原則により、先に注文を出した方が優先されます。(早い者勝ち)

参考までに

ちなみに、各証券会社で注文の有効期間が違います。

マネックス証券では注文の最長有効期間は30日間です。
つまり、一度注文を出すと、30日間は条件の株価になるまで注文は有効になります。

成行注文とは?

成行注文は、売買の成立を最優先にした注文方法です。

成行注文とは?

指値注文の欄でフリマの例をだしましたが、「いくらでも良いからあのバックを買いたい!」という即決を目的とした注文方法です。

成行注文は、なるべく早く売買したいという時に利用する注文方法になります。

成行注文のメリット

成行注文は早い

成行注文は、売買の成立が優先される注文になります。

成行注文は、指値注文よりも約定(売買)が優先されるというメリットがあります。

買いの注文方法による、売買の優先順位は下記のとおりです。

注文方法 > 株価の高い方を優先 > 注文時間の早い方を優先

  1. 成行注文
  2. 指値注文 (値段の高い方を優先)
  3. 指値注文 (注文が早い方を優先)

(例)現在の株価が1,000円で、売り注文が1,200円で1件でていた場合。

  • 成行 買い注文をしたAさん
  • 指値 買い注文(1,500円)をしたBさん
  • 指値 買い注文(1,200円)をしたCさん

同価格の場合、注文が先に成立するのは、成行注文をだしたAさんになります。
※次に売買が成立するのはBさん。

成行注文のデメリット

売買成立を優先し、売買する株価が二の次になるのが、成行注文のデメリットになります。

  • 本当は1,000円以下で購入したいけど、売り注文が1,200円しかないからその株価で購入した。
  • なるべく高い1,500円で売却したいけど、買い注文が1,300円しかないからその株価で売却した。

上場直後の株や、ニュースになった株式などは売買が活発になり、株価の変動が激しくなります。

その時に成行注文を行うと、「思ったよりも高い株価で購入した」「思ったよりも安い株価で売却した」ということになる場合もあります。

ラッキーなことに、逆に思ったよりも安い株価で購入、高い株価で売却することもあります。
つまり、値動きが激しいときは、どの株価で売買されるのか読めません。

成行注文の使い時は?

成行注文は、早く売買をしたいときに利用します。

時間優先 > 株価優先

ワンポイント

  • 買いの成行注文の場合
    スグに買いたい場合に利用する!
    (例)A社で〇〇の画期的な新薬が開発されたと報道された!
  • 売りの成行注文の場合
    スグに売りたい場合に利用する!
    (例)保有している株の会社が不祥事を起こした…

成行注文を出すと、現在の相場の株価の売りに出された株価の一番安い(高い)株価での約定となります。 分かりづらいので下記の図でご説明いたします。

指値注文と成行注文の違い

指値注文は自分が納得のいく価格で取引を行いたい場合に適していますが、株価が指定価格に達しない限り取引が成立しません。

一方、成行注文はすぐに取引を行いたい場合に適していますが、取引価格が注文時と異なる場合があります。

注文方法を選ぶ際は、自分の取引目的、リスク許容度、市場環境などを考慮する必要があります。

指値注文は価格をコントロールしたいとき、成行注文は時間を優先したいとき(売買成立を優先)に適しています。

4コマ漫画1:成行注文と指値注文の違い 4コマ漫画2:成行注文と指値注文の違い 4コマ漫画3:成行注文と指値注文の違い 4コマ漫画4:成行注文と指値注文の違い

どの場面でどの注文方法を選択するのかは、経験によりすぐに慣れると思います。

注文方法 メリット デメリット
指値注文 指定した株価で売買できる 指定価格に達しないと売買が成立しない
成行注文 早く売買できる 予想よりも高く購入(安く売る)場合あり

指値注文と成行注文の使い分けは、株式市場の動きや自分の投資戦略によります。例えば、株価が安定していて急激な変動がない場合や、取引価格を厳密に管理したい場合は指値注文を、取引のスピードを重視する場合は成行注文を選びます。

各証券会社により、「逆指値」や「連続注文」「指値の変形バージョン」などの注文方法が用意されています。こちらは次項で詳しく説明しています。

私のメインであるマネックス証券は、さまざまな注文が利用できる便利な証券会社です。

指値注文と成行注文に関する質問

指値注文と成行注文、どっちがリスクが高いの?

それぞれの注文方法には特性があり、リスクも異なります。
指値注文は価格が約定しないリスクがあり、成行注文は価格が想定以上に動くリスクがあります。

どんな状況で指値注文を使った方がいいの?

値動きが激しくない安定した銘柄で、納得の行く価格で取引したいときに指値注文は有効です。

急な相場変動時には、どっちの注文方法がいいの?

急な相場変動時は、一刻も早く取引を行いたい場合には成行注文が適しています。

成行注文で注文後に価格が大きく動いた場合、どうなるの?

成行注文は注文時の最良価格で約定します。注文後に価格が大きく動いても、その動きは注文価格に反映されません。

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