現金の流れがわかるキャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書は、企業の「現金の増減」が分かる決算書です。
キャッシュ(現金)のフロー(流れ)が分かるので、キャッシュフロー計算書といいます。
各キャッシュフローをチェックすることで、現金の質(お金の流れ)や企業が自由に使えるお金の金額が分かります。
- 企業の現金の増減が把握できる
- 現金の使われ方や投資効率が分かる
目次
キャッシュフロー計算書とは?
キャッシュフロー計算書は、どこの部分で利益(現金)が出ているのか?を把握することができる決算書です。
現金の増減と、その金額が掲載されています。
営業活動によるキャッシュフロー | |
---|---|
売上による収入 | 2,000 |
商品仕入れによる支出 | △1,500 |
人件費の支払い | △150 |
水道光熱費の支払い | △50 |
営業活動によるキャッシュフロー 合計 | 300 |
投資活動によるキャッシュフロー | |
自動車購入代金の支払い | △20 |
減価償却費 | △50 |
株式投資売却の収入 | 10 |
投資活動によるキャッシュフロー 合計 | △60 |
財務活動によるキャッシュフロー | |
借入金 | 100 |
配当金支払い | △200 |
財務活動によるキャッシュフロー | △100 |
3つのキャッシュフローが掲載されています。
また、このキャッシュフローから「フリーキャッシュフロー」も算出します。(後述します)
キャッシュフロー計算書は3つに区分される
キャッシュフロー計算書は3つに区分され、それぞれの金額が掲載されています。
ワンポイント
- 営業活動によるキャッシュフロー
本業で獲得したキャッシュの増減。
プラスが普通。 - 投資活動によるキャッシュフロー
企業の投資政策が分かる。
マイナスが普通。 - 財務活動によるキャッシュフロー
資金調達などの流れが分かる。
マイナスが普通。
3つのキャッシュフローのバランスを見ることで、経営が良好な企業か?経営困難な企業か? またはどういったことに力をいれているのか?などの判断することができます。
営業活動によるキャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは、企業が本業で得た現金・預金・現金同等物の金額を表しています。
よって、一番注目して見たい項目です。
マネックス証券の銘柄スカウターで、キャッシュフローの推移を確認できます。
![ワークマンのキャッシュフロー推移](img/7564.png)
(ワークマンのキャッシュフロー)
通常は、営業活動によるキャッシュフローはプラスになり、単純に金額が多いほど優良企業です。
マイナスになっている場合、経営に関して疑ってかかる必要があります。
プラスの場合 | 事業で資金が生まれている。 金額が大きいほど良い。 |
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マイナスの場合 | 事業で資金がショートしている。 業績が悪い?債権?仕入れ? |
マイナスになっている場合、決算期における推移や、その要因を探る必要があります。
投資活動によるキャッシュフロー
投資活動におけるキャッシュフローは、設備投資や工場の増設など、本業にかかわる投資活動によるものです。
通常は、投資活動によるキャッシュフローはマイナスになります。
プラスの場合、保有していた株を売却したり、設備などの固定資産を売却した場合が考えられます。
プラスの場合 | 購入した土地や保有株の売却など。 |
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マイナスの場合 | 設備投資など。 |
財務活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフローは、借入金の増加や返済などのお金の流れが分かります。
借入金の返済ができるというのは経営上良好で、投資活動によるキャッシュフローはマイナスになるのが通常です。
プラスになっている場合、借入金(借金)などが増えている可能性があるので、貸借対照表(バランスシート)なども見て確認する必要があります。
プラスの場合 | 設備投資や経営悪化による借金など。 |
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マイナスの場合 | 借金の返済など。 |
企業が自由に使えるお金「フリーキャッシュフロー」を算出
キャッシュフロー計算書には載っていませんが、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを足すことで、フリーキャッシュフローを算出することが出来ます。
フリーキャッシュフローは、企業が自由につかえるお金です。
金額は大きければ大きいほど、良いです。
プラスの場合 | 新規事業への投資、事業拡大、株主還元などに利用可。 |
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マイナスの場合 | 営業によるキャッシュフローを増やすか、投資活動によるキャッシュフローを改善する必要あり。 |
マネックス証券の銘柄スカウターで、キャッシュフローの金額とその推移を確認できます。
![ワークマンのキャッシュフロー推移](img/7564.png)
(ワークマンのキャッシュフロー)
古い話ですが、2006年度のソフトバンクの決算。
投資活動によるキャッシュフローは2兆円で、金額が大きく膨らんでいました。
フリーキャッシュフローは、マイナス1兆7千万円に。
これは携帯電話事業に本格的に乗り出すためにボーダフォンを買収した為。
その後、フリーキャッシュフローは順調に伸び、2009年にはフリーキャッシュフローはプラス3千億円に。
つまり、フリーキャッシュフローがマイナスになっていた場合でも「理由」がはっきりと判明していれば、それほど問題視する必要はありません。
銘柄スカウターでキャッシュフローの推移をチェックしよう!
キャッシュフロー計算書に掲載されているキャッシュフローは、過去数年間の推移をチェックしましょう。
カブスルは、マネックス証券の銘柄スカウターでキャッシュフローの推移を確認しています。
過去10年間の推移を確認できるので、非常に便利です。(口座開設で無料で利用可)
順調にフリーキャッシュフローをたたき出し、現金・現金等価物が増えている企業は、安心感があります。
![ワークマンのキャッシュフロー推移](img/7564.png)
(ワークマンのキャッシュフロー)
ワークマンの場合、営業キャッシュフローは伸び、店舗展開など投資キャッシュフローも順調に使われ、フリーキャッシュフローも大きく、順調です。
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