決算短信の見方とチェックポイント
決算短信は、決算の速報のようなものです。
企業の決算後、1~2ヵ月の期間をおいて発表されます。(原則 45日以内)
これまで紹介した決算書(財務諸表)の発表には3ヵ月かかるため、投資判断用に早めに決算結果を報告しているんです。
決算短信とは?決算書との違い
最初に書いた通り、決算短信は決算の速報のようなものです。
計画(業績予想)に対して、どれくらいの進捗状況なのか?また実績なのか?を確認することが出来ます。
売上高や利益、業績予想のほかに配当金についても掲載されています。
決算書 (財務諸表) |
決算短信 | |
---|---|---|
特徴 | 網羅性 | 速報性 |
情報量 | 多い | 少ない |
開示期限 | 決算日から3カ月以内 | 決算日から45日以内 |
監査法人の監査 | あり | なし |
監査法人とは、決算書の内容などをチェックする機関です。
決算書(財務諸表)は監査法人のチェックを受けているので、公開情報の信頼性がより高くなります。
決算短信はどこで見られる?
証券取引所が上場企業に対して、決算短信の作成を要請し、企業が作成しています。
次の3つの個所でみることが出来ます。
- 各企業のホームページにある、IRのページ
- 適時開示情報閲覧サービス(TDnet)
- 有報キャッチャー(決算短信)
個人的なオススメは、企業のIR情報を見ることです。
企業のIR情報は、投資家に見やすく理解しやすいよう、決算資料として画像や表が多く工夫されています。
ワークマンの決算資料
決算短信のチェックポイント
決算短信にも決算書同様、投資判断になる数値が1ページ目に掲載されています。
2ページ目以降は、各数値に対する説明などが書かれています。
営業利益 | 本業で稼ぐ力が分かる。 前年比および数年間の推移をチェック。 |
当期純利益 | 企業の最終利益。 配当金の原資にも。 |
自己資本比率 | 企業の総資産に占める自己資本の比率。 高ければ高いほどよく、業種によりますが40%以上あれば優良。 |
営業活動によるキャッシュフロー | 本業で得た現金・預金・現金同等物の金額。 通常はプラスで金額は大きいほど良い。数年間の推移も確認。 |
投資活動によるキャッシュフロー | 設備投資や工場の増設など、本業にかかわる投資活動。 通常はマイナス。 |
現金および現金同等物 | 手元にある現金。多い方がよく、少ないと資金繰りが不安。 |
配当金 | 今回と前期の配当金が掲載。来期の予想も。 配当性向は、純利益の中から配当金をどのくらい支払っているかの指標。 |
勢いのある企業の代表として、ワークマン(7564)の決算短信の1ページ目をみてみます。(2020.5.7発表)
カブスルは、日ごろワークマンをチェックしていませんが、決算短信を見て分かった事はコチラです。
ワークマンの決算短信のポイント
- 営業利益は、前期より41%も伸びてて優秀。(コロナ禍の影響あり)
- 当期純利益は、36.3%の伸びに。
- 自己資本比率は、やや落ちているけど、配当金によるものと決算短信にかかれている。
- 各キャッシュフローは、決算短信に細かい説明あり。
投資活動によるキャッシュフローがプラスになったのは、定期預金の払戻し。 - フリーキャッシュフロー(営業CF + 投資CF)の合計がプラス。
- 配当金は、2019年に1:2の株式分割をしていたらしく、減配かと思いきや増配でした。(前期に合わせると100円)
- 現金および現金同等物は、増加。
決算短信から、業績が好調で、財務健全性が高いことが分かりました。
優良企業は 当然、みな購入するので割安度は低いです。
株価と各指標を見比べて投資の判断材料にします。
いやぁ・・・株価が上がる前に買っておけば良かったですよね(苦笑い)
自身が興味を持ち、お店に人が集まっていたら買い対象でしたね。
銘柄スカウターで各指標の推移をチェックしよう!
決算短信は、今期と前期の数値しか書かれていません。
投資判断をより明確にするために、マネックス証券の銘柄スカウターで、過去数年間の推移をチェックしましょう。
★ ワークマンの業績の推移
★ ワークマンのキャッシュフローの推移
はい。順調ですね(笑)
営業利益や営業キャッシュフローは伸び、店舗展開などに投資キャッシュフローも順調に使われ、フリーキャッシュフローも大きく、順調です。
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