半沢直樹で使用されている用語を解説!ドラマをさらに楽しく

日曜ドラマ「半沢直樹」。オモシロイですよね(笑)

  • やられたら やり返す、倍返しだ!
  • 施されたら、施し返す。恩返しです。

今回の舞台は証券会社。
株式投資歴20年のカブスルが、半沢直樹で登場している用語をやさしく解説します。

原作は読んでおらず、ネタバレは一切なし。

ドラマの見どころである買収劇。
実世界では大戸屋コロワイドに敵対的買収をかけられています。
重ね合わせると面白いので、合わせて紹介します。

半沢直樹は、そのまま見ても面白いですが、買収の仕組みや防衛策などを知っているとさらにドラマが楽しくなると思います。

ドラマが進むたびに、ドラマの内容を詳しく解説!にて、細かい説明をしていきます。

敵対的買収(TOB)がドラマの見どころ

「買収」というキーワードが半沢直樹で登場します。

この買収には2つの種類があります。

  • 友好的買収(TOB)
    合併や合意の上での買収などで、対象企業が株式の取得を望んでいる場合。
  • 敵対的買収(TOB)
    買収目的で一方的にTOBを使って、経営権を得ようと株式の大量保有を目指す場合。

半沢直樹では、敵対的買収が行われます。

敵対的TOBが仕掛けられると、株の購入により経営権を取得しようとする側(買収側)と、経営権を渡したくない側(企業側)の攻防が始まります。

なお、敵対的買収には防衛策があり、そこがドラマの見どころになると思われます。

買収に対する防衛策の一例。

  • 第三者に大量に株式を取得してもらう「ホワイトナイト」。
    株式を第三者に大量に取得させ、買収側の過半数の取得を失敗させる。
  • 退職金で買収時の企業価値を下げる「ゴールデンパラシュート」。
    役員が解任された際に、莫大な退職金を支払う契約を行い、買収後の魅力を下げる。
  • 新株を発行し、発行済株式の総数を増やす「ポイズンピル」。
    新株が発行された分、買収企業の保有比率が下がる。
    過半数を取得するために、予定以上の株数を取得する必要あり(費用の増大)。

買収する側も、買収される側も必死。
お互いの策を探りながら、攻めと守りの攻防が繰り広げられます。

個人的には、どういった防衛策をとるのか注目。

参考までに

現実では、大手飲食チェーンのコロワイドが、大戸屋HDに敵対的買収を仕掛けています。

セントラルキッチンにより客の回転率と利益率を上げたいコロワイドと、店舗ごとに厨房を設け美味しさを追求したい大戸屋。

経営方針の違いから、意見が真っ二つ。
コロワイドは経営権を握る為に2020年7月にTOBを仕掛け、51%の取得を目指しています。

株の取得で経営権を握るとは?

株を大量に取得すると、経営権を握ることができます。具体的には、

  • 発行株式の50%以上を取得すると、「経営権」を握れます。
  • 発行株式の3分の1以上を取得すると、株主総会の「特別決議の拒否権」が得られます。

企業買収では、50%以上の株式の取得を目指します。

また、この取得を行うために上記で紹介した「TOB」という仕組みを用います。

参考までに

大戸屋HDの約85%は個人株主が保有しています。
コロワイドは市場価格よりも高い株価にて大戸屋の株を買取りたいと、TOBを発表しました。

株を保有する個人株主がTOBに応じ、大戸屋が買収策をとらない場合、買収は成功します。

ドラマの内容を詳しく解説!

こちらのブロックでは、半沢直樹で登場した社名を使い、ドラマの内容を詳しく解説していきます。

買収の図式。

  • 買収しようとたくらんでいる側【電脳雑技集団】
    伊佐山がいる東京中央銀行(親会社)が悪だくみ。
  • 乗っ取られる側【スパイラル】
    半沢直樹ひきいる東京セントラル証券(子会社)が味方。

電脳が50%超を保有できれば、買収成功。
超えさせなければ、防衛側のスパイラルの勝ち。

買収の構図

これからの説明は、ドラマに沿って解説します

第五話以降はJALの経営破綻がモデル

第四話で買収編は終了。
次の舞台のイントロがありましたが、どうやらJALの経営破綻がモデルのようです。

  • 帝国航空 → JAL
  • 進政党 → 民主党
  • 的場内閣 → 鳩山内閣
  • 白井亜希子 → 蓮舫

政府はJALの再建を図るため、銀行に債権放棄を提案。
銀行側はたまったもんじゃありません(苦笑)

第五話以降は、銀行側 VS 政府との争いになりそうです。
半沢にとっては、大きな敵となりますね!

【第三話】逆買収について

第三話は「逆買収」がテーマでした。

買収を行うには、発行済株式数の50%以上の取得が必要。
つまり、株を買い占める資金が必要になります。

半沢側が防衛策の手段として、スパイラルにフォックスを買収させ、企業価値を高めることにより株価の上昇を呼び込みました。(ジョブズみたいな人が登場し出資)

スパイラルの株価が上昇したことにより、電脳側は予定以上の買収資金が必要になります。

電脳側は順調に株を48%まで買い集め、買収達成の50%取得まで目前でしたが、株価上昇により買い集めるスピードが鈍化することになりました。(半沢側の防衛成功)

予告の段階では、逆買収と聞いて、電脳雑技集団を逆買収するパックマンディフェンスを行うのかと思いましたが、違いました。

パックマン

パックマンディフェンスは、買収を仕掛けてきた企業が発行する株式の4分の1以上を逆に取得する買収防衛策です。

ちなみにパックマンとは、あのゲームのパックマンです。
パックマンは敵に追っかけられるゲームですが、アイテムを取ると逆に敵をおいかけて倒します。

半沢側の防衛はいったん成功しましたが、買収資金が豊富であれば たとえ株価が高くても強引に50%以上の取得を目指せます。(東京中央銀行が買収に必要な資金をさらに用意)

第四話は、買収資金を銀行が用意するか、しないかの話となりそうです。

参考までに

現実では、大戸屋HDをコロワイドが買収しようと敵対的TOBを仕掛けています。

大戸屋HDは14日に、食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地と業務提携を行いました。

これは、半沢直樹でいえばフォックスとスパイラルの業務提携に似ています。
この提携により大戸屋HDの株価が上昇すれば、コロワイドは敵対的TOBをしづらくなります。

上場のデメリット

蛇足ですが、上場している企業のリスクは買収されることです。

買収しようとしていた電脳側も、買収される可能性があるワケです。

ワンポイント

  • 上場のメリット。
    事業資金を得られる。知名度が上がる。
  • 上場のデメリット。
    株の過半数取得による買収など。

上場のデメリットは他にも株主の意見を聞く必要があるなど。

よって、大企業でも上場していない企業はたくさんあります。

  • サントリー
  • 朝日新聞社
  • 小学館 など。

手元の事業資金が充分であれば、上場する必要もありません。

【第二話】新株発行とホワイトナイト

第二話では買収に対する防衛策として、【新株発行(ポイズンピル)】と【ホワイトナイト】が採用されました。

  • 新株を発行し、発行済株式の総数を増やす「ポイズンピル」。
    新株が発行された分、買収企業の保有比率が下がる。
    過半数を取得するために、予定以上の株数を取得する必要あり(費用の増大)。
  • 第三者に大量に株式を取得してもらう「ホワイトナイト」。
    株式を第三者に大量に取得させ、買収側の過半数の取得を失敗させる。
    郷田(戸次さん)のフォックスが、ホワイトナイトに名乗りを上げる。
    スパイラルが契約書にサインしようとして、やめる。

ドラマでは2つを掛け合わせた買収防衛策を提案。

ドラマ内できちんと説明されていましたが、おそらく分かりづらいポイントだと思いますので詳しく説明します。

新株発行(ポイズンピル)について

ポイズンピルは、企業買収に対する防衛策のひとつです。

発行済株式数の50%超を取得すれば買収が成功するわけですが、新株を発行することにより発行済株式数を増やし買収側の保有比率を下げます。

スパイラルが新株を発行する

第一話の立会外取引により、電脳が取得した発行済株式数の30%。
さらにTOBで10%を獲得して、40%を保有する株主に。

50%の到達までもう一歩ですが、新株を発行することにより総数が増え、電脳の持ち株比率は40%から下がります。

つまり、買収(過半数の保有)への道のりが遠くなります。

補足として、新株発行は既に株を保有している株主からは敬遠されます。
理由としては新株を発行することにより株の希薄化が起こり、1株あたりの価値が下がるから。
ドラマではストーリーに関係ないので説明ありません。

ホワイトナイトについて

ホワイトナイトは白馬の騎士。
買収される企業を助けてくれる王子さまです。

敵対的な相手に買収されるくらいなら、友好的なホワイトナイトと合併、または買収してもらい、敵対している企業からの買収を阻止します。

新株を発行しても、買い手がいなければ意味がありません。
半沢直樹では、その新株を買ってくれる味方として、フォックス(郷田)が名乗りを上げました。

ところが、ドラマではフォックスが新株を取得したあとに、電脳側がフォックスを吸収するという流れに。
(ホワイトナイトかと思いきや、電脳側の刺客)

スパイラルが新株を発行する

一気に過半数の株を取得するスキームでしたが、半沢直樹がこのカラクリに気づき、契約をストップした為、スパイラルは買収されずにすみました。(まだ買収劇は終わっていません)

個人的には面白いなぁと思って見ていましたが、詐欺・犯罪と言っていたので、偽ホワイトナイト?は、ドラマの中だけの話かもしれません。

余談ですが、現実世界ではホリエモン率いるライブドアが、ニッポン放送買収(実質はフジテレビ狙い)に敵対的TOBを仕掛けたことがあります。(2005年の出来事)

当時、ニッポン放送のホワイトナイトとして登場したのが「ソフトバンク・インベストメント」。その後いろいろあり、買収は失敗しました。(ライブドアは2006年3月に上場廃止)

参考までに

さらに参考までに、現実ではコロワイドが大戸屋HDを敵対的TOBにより買収しようとしています。

大戸屋は現状、ホワイトナイトが見つからない状態。

コロワイドが仕掛けたTOB価格が市場評価より高い為、ホワイトナイトが買いに動きづらく、また約85%の株を持つ個人投資家が利益確定のため、TOBに応じやすくなっています。(大戸屋は絶対絶命!)

【第一話】時間外取引による株式取得

時間外取引(立会外取引)とは、証券取引所の取引時間外で行われる取引のことです。

東証の取引時間は9時分~11時30分(前場)、12時30分~15時(後場)になります。

時間外取引は、一般投資家に迷惑がかからぬよう大口(大量の株式数)の取引に利用されます。

どういうことかというと、株式投資の仕組みは単純で「誰かが買い、誰かが売る」ことにより成り立っています。

証券会社を通じて売買を行う

買う人が多ければ株価は上がり、売る人が多ければ株価は下がります。

取引時間内に大量の買い注文が入ってしまうと、株価に影響を及ぼすので、時間外取引(立会外取引)を利用して、投資家に迷惑がかからない取引時間外に取引が行われます。

時間外取引は、立会外取引のことかと思います。
おそらく時間外という言葉の方が分かりやすいので、そちらを採用されたんだと思います。

その他の専門用語

その他の専門用語を解説しようかと思いましたが、公式サイトに銀行用語の一覧がありました。

前回のドラマ時のページですが、銀行用語は再びでてくると思います。

(おまけ)証券会社で働いている人たちの反応

Twitterで見かけた証券会社で働いている方たちの反応です。

もちろんみなさん、現実とドラマが違うことを理解した上でつぶやいています。

カブスルは、実際に証券会社や銀行で働いている方達の反応も楽しくチェック(笑)

ドラマなんで、情報管理など細かいところは気にせず、気軽に楽しく見ています(  ̄∇ ̄)

ちなみに、証券監修はauカブコム証券
三菱東京UFJ銀行や三菱UFJ証券HDが出資している証券会社です。

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