円高・円安とは?
さて、いきなり質問です。
あなたは正しく理解できているでしょうか?
為替相場で、
- 前日 : 1ドル = 100円
- 本日 : 1ドル = 90円
になりました。
これって円安?円高?
円高?円安?
分からない人はいったん、円をドルに両替して一緒に考えてみましょう。
今、手元に9,000円あるとして・・・
- 1ドル100円ならば 9,000円÷100円 = 90ドル
- 1ドル 90円ならば 9,000円÷ 90円 = 100ドル
上記のように円をドルに両替しました。
円をドルにたくさん交換できたのは「1ドル= 90円」の時だから・・・
答えは・・・・そう 「円高」です。
「円の価値があがった」ので円高となります。
ちなみに、
- 1ドル120円ならば 9,000円÷120円 = 75ドル
同じ9,000円を持っていても75ドルとしか交換できません。
つまり、上記とは逆で 「円の価値がさがった」ので円安となります。
ワンポイント
- 円高とは
「円の価値」 が 「他国の通貨」 より 「上がる」 こと - 円安とは
「円の価値」 が 「他国の通貨」 より 「下がる」 こと
円高の方が海外のものをお得に買える
購入しようとしているブランド品が100ドルで売っていたとします。これを円で買うには・・・
- 1ドル100円ならば 100ドル×100円 = 10,000円が必要
- 1ドル 90円ならば 100ドル× 90円 = 9,000円が必要
同じブランド品を買う場合、1ドル= 90円の方がお得に買えます。
よって、海外旅行に行かれる方や海外の商品を買う人は「円高」の方が安く買えるので円高になると喜びます。
株式投資への影響は?
こういった円高・円安の関係は、諸外国との「輸出入」に大きく関わってきます。日本は輸出入に大きく頼っている国ですので、円高・円安により経済の流れも変わってくるわけです。
日本は特に輸出産業が強い国ですので、円高が進むと経済の流れも悪くなります。
「円高」 が進むと・・・ | |
---|---|
輸出 | 「円」の価値が高くなる = 海外への販売価格が高くなる = 売りづらくなる(輸出減) 自動車関連などの輸出産業が苦戦する = 景気が悪くなる |
輸入 | 海外から安く仕入れられるが、景気が悪くなることにより影響あり |
旅行 | 「円」を海外通貨に替えるとトクをする = 海外旅行などが増えやすくなる |
雇用 | 工場を海外に移転させる企業が増える = 雇用が減る |
株価 | 株価は景気の悪化を懸念して下落傾向 |
上記のことなどから「円高」よりも「円安」傾向の方が輸出がしやすくなり、経済の流れが良くなり景気も良くなるとされています。
円安による株の影響について考えてみます。
円安による株の影響は?
「円安」とは「円の価値」 が 「他国の通貨」 より 「下がる」 こと。
逆に言えば、「他国の通貨」が「円の価値」より高くなり、他国が有利になります。
それでは、円安になると株価にどういう影響が出てくるのかを考えてみましょう。
株価に影響が出るということは経済に影響が出てきます。
円安が経済に影響を及ぼすものは主に2つあります。
- 輸出企業の業績が好転する
- 株価が上がりやすくなる
どういう事かざっくりと見ていきましょう(  ̄∇ ̄)
1. 輸出企業の業績が好転する
輸出企業とは自動車産業など、海外にも「モノ」や「サービス」を売っている企業のことです。
円安になると、日本の輸出品を海外の人が安く買う事ができます。
(例)270万円の「自動車」を輸出した場合。
- 1ドル 90円 ならば 270万円 ÷ 90円 = 30,000ドル
- 1ドル100円 ならば 270万円 ÷ 100円 = 27,000ドル
1ドル100円の円安状態の時の方が、海外の人は安く自動車を買う事ができます。
また、日本車の価格が下がることにより、海外の自動車との競争力も上がります。
(例)販売額などは適当です。
- 円高の場合・・・日本車 30,000ドル、 海外の自動車 26,000ドル
- 円安の場合・・・日本車 27,000ドル、 海外の自動車 26,000ドル
日本車の品質の良さは海外でも知られています。
円高の場合は4,000ドルの価格の差により、安い海外の自動車が選ばれやすかったですが、円安になり、価格の差が1,000ドルまで縮まることにより、品質の良い日本車が選ばれやすくなります。
つまり、「品質の良い日本製」が円安により「価格」でも勝負できるようになります。
日本は製造業をはじめ、外需(海外の売上げ)に依存している部分がありますので、円安になると海外で日本のモノが売れやすくなり輸出関連企業の業績がアップします。
※2013現在。 トヨタの場合、円安に1円動くと営業利益は+350億円になるそうです。
グローバル展開をしている企業も海外の売上が増えますので業績がアップします。
ブリヂストンやキヤノン、ヤマハ発動機など。
2. 株価が上がりやすくなる
日本製は品質が良く輸出産業が強い国です。
上記のように円安により海外でモノが売れることにより、業績がアップする企業も多くなります。
業績が良くなる企業が多くなると景気も上向きに向かいやすく「株価」が上がりやすくなります。
景気の気は「気分」の気、とよく言われます。
各企業の業績が上がり、雇用が増え、従業員の給料などがアップしていけば、さらに景気は好転し株価も上がりやすくなります。 ※安倍政権でも各企業に賃金アップなどを要求しています
では、円安に対する懸念は?
円安になると、日本円の価値が下がり、他国の通貨の価値が上がるので、他国の「モノ」を買うのに これまで以上にお金がかかります。
(例)100ドルの「モノ」を「円」で買いたい場合。
- 1ドル 90円 ならば 100ドル × 90円 = 9,000円
- 1ドル100円 ならば 100ドル × 100円 = 10,000円
1ドル100円の円安状態の時の方が、他国のモノを買うのにお金がかかります。
影響を受けやすいのが原油を使用している「ガソリン」。
仕入れの価格が上がるので販売額も上がります。
給与など賃金が上がらないで物価のみ上がっていく状況になってしまうと、円安は単なる物価上昇となり家計が圧迫される要因ともなります。
また、円高の恩恵を受けていた企業(仕入れなどの輸入品が安くなる)も業績は厳しくなります。※外国産の牛肉を使用している牛丼チェーンなど
円安により、企業の業績が上がり、雇用が増え、従業員の賃金が上がり、景気が良くなり、株価も上がっていくのが 円安による理想のカタチとなります。
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