インフレとデフレの違い

インフレとデフレ、景気についてカンタンに紹介します。

日本は長期に渡りデフレ化にありましたが、2022年よりインフレ懸念が上昇しています。

インフレとは?

インフレ(インフレーション)は、モノの値段が上がっていく経済状況のことです。

モノの値段があがっても、給与などの収入が同じように上昇すれば問題はありませんが、収入面での上昇がない場合、生活はその分、苦しくなります。

インフレに強い資産 株式、投資信託、不動産、金・原油など
インフレに弱い資産 現金・預貯金、保険(長期型)、債券など

インフレに強い資産に乗り換えて資産を守る必要があります。

年金についても「マクロ経済スライド」という仕組みがあり、インフレ時に受給額が実質減価します。

インフレ時、預貯金だけだと資産が減る

インフレが進行している状況で、預貯金だけに頼っていると資産価値が目減りしていきます。

(例)100万円を保有、25年後の資産価値は?

インフレ率 資産価値
1% 78万円
2% 61万円
3% 48万円

インフレでは物価が上がるので、相対的に現金や預貯金の価値が下がります。

株式投資は複利効果により、インフレのリスクを抑えることも可能です。

デフレとは?

デフレ(デフレーション)は、モノの値段下がっていく経済状況のことです。

日本は長らくデフレ傾向にあるので、デフレについて詳しく紹介します。

物価はなぜ どんどん下がる?

なぜ物価がどんどん下がっていくのかというと、不景気により消費者の財布のヒモが固くなり、売っている商品に対して買う顧客が少なくなります。(供給過多)

そうすると、お店側が考えることとして、

  • 最近ものが売れないなぁ。他店より値段を下げてはどうだろうか
  • ものが売れなくて在庫がたくさんある。安く売ろう

など。モノの値下げが始まり、価格競争がうまれ、物価がどんどん安くなっていきます。

デフレのメリット

デフレは物価がどんどん下がる状態です。

大手スーパーなどでも価格競争が激化。
ジーパン580円、弁当298円など 消費者にとっては 安くモノを買えます

デフレのデメリット

先ほどのジーパンやお弁当。
なぜ安くなっているのかが問題です。

例として、ジーパンを売っている大手のデパートがあるとします。

  1. デパートでも価格競争の波には逆らえずジーパンの値段を下げることにしました。
  2. デパートは問屋さんにいつもの価格では売れないから、安く仕入れたい!とお願いをしました。
    問屋さんはデパートに仕入れてもわらないと困るので、なかなか反対はできません。
    仕方なく仕入れ値を下げることにしました。
     問屋さんの利益減
  3. 仕入れ値を下げたものの、他店よりもっと安く売りたいのでデパートは利益率を下げてジーパンを販売することにしました。
    他店も安売りをしているため、値段を下げたからと言って爆発的に売れるわけではありません。デパートの利益は安売りにより減ってしまいました。
     デパートの利益減
  4. デパートの利益は減りましたが、社員にかかる人件費は変わりません←ここが重要
    そこでデパートは給与の高い社員を解雇し、給与の安いパートさんを雇うことにしました。
     雇用減 または 給料減
  5. 運よく残った従業員も次はいつ自分が解雇されるか分からないので消費を控えます。
     消費減
  6. 消費を控えた従業員は一円でも安いモノを求めるようになります。
     「1」の価格競争がまた起こる

デフレの問題は

  • 「モノは安くなる」=「企業の利益は減る」が、
  • 「固定費 (人件費や土地代など)」は変わらない

状態です。

よって、企業は利益を上げづらくなり、その反動が給与カットなどにもつながり、従業員などの消費が抑制され、さらにモノが売れなくなることにあります。

この「1」~「6」までの経済の悪循環のことを「デフレスパイラル」と呼びます。

デフレスパイラル

デフレ時の資産運用は?

デフレとはしつこいですが、物価が下がり続ける状態。
不動産なども例外にはもれず。

1坪100万円で買ったとしても、数年後には1坪90万円になっている場合も。
モノなどへの投資は不向きだと言えます。

株式投資ではインフレ向き、デフレ向きの銘柄がありますので
そちらに目を向けておいても良いかもしれません。

デフレ向きの銘柄とは「安く販売しつつも利益を上げている企業」など
洋服のユニクロ(ファーストリテイリング:9983)や家具のニトリ(9843)、セルフ式うどん「丸亀製麺」(トリドール:3397)など。

デフレに対して、物価が上がり、給与などの所得も上がっていく状態を「インフレ(インフレーション)」といいます。インフレにつきましては、また後ほど。

景気とは?

「景気を上げろー!景気回復だー!」と言っていますが、そもそも「景気」とは何でしょうか?

簡単にいうと景気とは「経済活動の勢いのこと」を指します。

さらに噛み砕いて説明すると、経済活動の勢いとは・・・

お金の流れが活発になることです。

お金の流れとは?

お金が流れる???

何もお金が川に流れているわけではありません (  ̄∇ ̄)
世の中のお金の流れを、分かりやすく図にしてみます。

お金の流れ
  • 政府 → 家庭 医療や教育などの公共サービスを提供。
  • 家庭 → 政府 消費税などを納税する。
  • 家庭 → 会社 商品やサービスを買う。
  • 会社 → 家庭 給与をもらう。
  • 会社 → 政府 法人税などの納税を行う。
  • 政府 → 会社 道路や橋などのインフラなどの公共サービス。

と、上記の図では三者間でグルグルとお金が回っています。

お金が「A」に動くことにより、「A」から「B」へ、「B」からまた「C」へとリレーのバトンのようにお金が移っていきます。これがお金の流れです。

そう。昔の名言にもありましたが、

「カネは天下の回りもの」 なんです。

お金の流れを活発にするには?

お金はグルグルと回るモノですが、お金を使うのを渋ったり使うのをやめて「お金の動きが遅く」なると、自分のところに戻ってくるスピードも遅くなります。これが「景気が悪い」状態です。

逆に、モノが活発に売れたりと、「お金の動きが早く」なると、天下に出回るお金のスピードも上がり、自分のところに戻ってくるスピードも早くなります。これが「景気が良い」状態です。

お金の流れを活発にするには、上記の図の三者がそれぞれお金をどんどん使っていくことで、お金の動きが早くなり、景気も良くなっていきます。

  • 家庭 モノを買う。サービスを受ける。投資を行うなど。
  • 会社 従業員の給与を上げる。設備投資をする。商品開発などをする。
  • 政府 公共事業への投資や財政出動など行う。

デフレからの脱却へ

デフレとはモノの値段がどんどん下がっていく状態のことです。

デフレ下にあると、人々はモノの値段が下がるのを待ち、お金を使わなくなります。
お金を使わなくなるので「お金の動きが遅く」なり、景気が悪くなっていきます。

自民党の安倍政権によるアベノミクスは「デフレからの脱却」を目指した政策です。

「景気」の「気」は、「気分」の「気」だとよく言われます。

貯蓄ももちろん大切ですが、モノやサービスを積極的に買うことにより、その企業の業績が上がり、従業員の賃金も上がり、消費活動がまた活発になり、景気が良くなっていきます。

政治家や報道機関には私たちの「気分」が上がる、政策の実施や報道をして頂きたいものです。

機械受注ってなに?

ヤフーファイナンスなどで良く見る記事として、

「▲月 機械受注の悪化を嫌気、先物主導で売られ平均株価は●円安と3日続落」

などといった記事。

さて、 こちらの記事に出ている 「機械受注」。

毎月、月次情報として10日前後に発表されているものですがこちらの意味をご存知でしょうか?
実はとっても大事な経済の動向を知る指標の一つであります。

読んで字のごとく「機械」「受注」した統計指数です。

何の機械を受注?

では、何の機械かといいますと、各企業が、

「設備投資」として利用するための「機械」を指します。

さまざまな項目の機械受注の統計が内閣府にて発表されるのですが、 特に大事なのは、安定しない「電力」「船舶」を除く「民間需要」 からの機械受注の統計となります。

この時点ではあくまでも「受注」の統計ですが、数ヵ月後(3ヶ月~6ヶ月)には各企業にこの受注分が「納品」されます。

よって数ヵ月後の景気動向をこちらの機械受注の統計で探ることができます。

設備投資をするということは「お金」がかかることでもあり、各企業が設備投資にお金をかけれるほど景気が良いということでも あります。

よって、機械受注の統計の数値が良いと「景気は上向き」と判断され ますが、逆にこの数値が低いと「景気は下向き」と判断されます。

最も影響を受ける銘柄は、機械や半導体を扱う設備投資関連の銘柄や設備投資に積極的な情報通信業がこちらの発表の影響を受けやすいです。

短月の統計だけを見るのではなく、前月や前々月といった過去の統計と合わせて機械受注の推移を追っていくとより動向が掴みやすくなります。

こちらの統計は発表された後、株価は影響を受けやすいので10日前後の機械受注の日は覚えておきましょう。

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